「いわき市震災支援報告会に参加して」
章江
報告会はこじんまりとしていましたが、伝える側も聞く側もそれぞれがこの事態に
心から関心を寄せていて、自分たちにできることは何かということを一生懸命考える
場でした。
実際に東北でのボランティア活動で体験したこと、誰もが行きたがらない福島に
足を踏み入れ、被災者との交流をし、肌で彼らの痛みを感じてこられた皆さんには
頭の下がる思いでした。
様々な理由から、被災地に行けないもどかしさを感じていた私には、この報告会
でのお話しや、映像はTVニュースのものとは違い、身近に感じることができました。
遠く離れた場所でいったい何ができるのだろう。そう考えた時に、キャプテンヤス
さんが伝えてくれた被災地の方の言葉「忘れないでほしい。」が特に印象に残って
いることに気づきました。
なので、私は小さな事しかできませんが、ステッカーを貼り、職場の休憩時間や
出会う人に、皆さんから聞いた被災地のことを伝えることにしました。
いつまでもこの出来事が、私たち全ての人の出来事として誰もが関心を寄せ、10年
20年と長期的に支援が続くことを願っています。
復旧・復興は町並みや行政や雇用といった目で見えるものだけではなく、人の心の
痛みの回復に重点を置かなければならないと思います。それは思いやりとか、愛しみ
とか個人によって表現は違うのでしょうが、被災者の辛い話を聴いてあげることから
始まり、何度も繰り返されながら少しずつ癒えていくのではないでしょうか。
話を聴いてあげるのは、きっと誰にでもできる事。ただそれをどうしたらいいかが
分からないだけなのかもしれません。
映像では足湯の場面がありましたね。あれはとても凄いことだと思いました。足から
リラックスしてもらい、気持ちも解けてお話しを聴くことが出来るのですから。
特別な何かがいるのではなく、開かれた心の状態・・・受容が可能な心の状態で
被災者と出会うことが必要なのかもしれません。
最後になりましたが、娘に対する皆さんの温かさに私は心から感動してしまいました。
誰もが、真剣に娘のことを考えてくださって、通常では考えられない世界を見ることが
できました。こんなふうにいつも皆さんに囲まれて、支えられているからこそ、娘は
しっかり生きていくことができるのだと思いました。ありがとうの言葉を添えて、心より
感謝いたします。